第三者評価

三者評価 受診経歴 (全3回)
第1回
受診日 1回目 2004年11月25日
    2回目 2005年 5月11日

評価機関 社団法人 全国保育士養成協議会
     児童福祉サービス第三者評価機関(HYK)
     ※第三者評価システム改善に関する研究のための施工事業

評価結果(総合コメント)
 子どもたち一人ひとりを尊重し、生き生きと生活ができるよう心がけている。子どもたちの表情が明るく輝いており、活発に生活している。保育者は受容的に子どもに関わるように特に努めている。異年齢交流を尊重し、生活を通して人間関係が育つよう配慮がされている。また、子どもの最善の利益にかなう保育ができるよう問題意識を持ち、各職員のサービスの質の向上を目指して、いっそうの努力をしようとする意欲にあふれている。専門機関と緊密な連携をとっており、子どもの発達を地域全体で保障しようと努めている。

キーワード 「一人ひとりを尊重した保育」「異年齢交流」「地域の保育ニーズへの対応」「保育の質の向上への取り組み」

第2回
受診期間 2008年1月11日~2008年3月26日

評価機関 社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会

評価結果決定日 2008年3月26日

評価結果(総合コメント)
 大阪市内の繁華な商店街に隣接する住宅地域に位置する創立70年余の歴史のある保育園です。キリスト教精神に基づき、温かく落ち着いた環境の中で、子どもはのびのびと活動しています。陽当たりがよく、明るい園舎で、園庭や屋上も含め、子どもが自由に活動できる十分なスペースがあります。縦割り保育が中心(週2日年齢別保育)で、子どもの自主性や協調性を大切に遊びを中心とした保育が実施されています。
 また、地域性に配慮した民族保育や共生保育を取り入れ、子ども達がお互いの個性や文化を尊重し、豊かな人格形成を目指しています。延長保育(22時)、一時保育、休日保育、産休明け保育、子育て支援事業など、積極的に取り組んでおり、保護者や地域のニーズに応えています。園長は意欲的に、基本的な業務マニュアルを整備し、組織的な取り組みにリーダーシップを発揮しています。

評価の高い点
 保育所保育指針をふまえた保育理念、保育方針に基づいて保育計画、指導計画が具体化されており、保育における子どもの姿や職員の姿勢によく反映されています。
 また、障害児保育について、定期的に外部の専門家による助言等を受け、障害児保育の充実に努めています。
 業務マニュアル等が整備されており、職員会議等を通して理解、対応の徹底に努力され、保育の質の確保がなされています。
 また、職員一人ひとりの教育・研修計画を適切に立て、人材養成に努めています。

改善を求める点
 人材の育成や能力開発に向けて、客観性・透明性のある考課基準による人事考課が望まれます。
 また、苦情解決について、保護者に対してわかりやすい仕組み、及び手順の明示について、検討・実施が望まれます。

保育園からのコメント
 大阪聖和保育園が実施している保育を見直すチャンスとして「第三者評価」を受診いたしました。日常の保育活動は、うまくいくこともあれば、思わぬ壁にぶつかってしまうこともあります。何が自分達の得意分野で何が課題なのかについて、自らで探すということも大切ですが、第三者の目は自らでは気づかない様々な示唆を与えていただけると考えています。
 今回受診してみて、自分達が大切に「できている」と思ったことが不備であったり、「課題」と思っていたことが、第三者の目から見るとさほどの問題でなかったり、という気づきを与えていただきました。与えていただいた示唆を大切にして確認していく作業を進めようと思います。
 大阪聖和保育園では「保育はなまもの」という言葉をよく使いますが、今、必要とされている保育が何なのか見極めながら、今後もよりよい保育を目指して励んでいきたいと思います。

第3回
受診期間 2014年1月10日~2014年3月19日

評価機関 社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会

評価結果決定日 2014年3月19日

評価結果(総合コメント)
 JR桃谷駅前から長く続く商店街に近接した住宅街の中で、創立以来80年近くの歴史を刻んでいます。
 建物は日当たりが良く、通風と採光に恵まれ、園庭や屋上等にゆとりのスペースが確保され、子どもたちがのびのびと活動しています。
 キリスト教精神に基づきながら、社会の動向を把握・分析したうえ、地域のニーズに応え地域性に即して、縦割り保育を軸にして民族保育と共生保育を重点的に提供しています。
 園長は強い使命感と責任感のもと、保育サービスの質の向上及び地域のニーズに応えることに意欲を持ち、リーダーシップを発揮して取り組み実績を上げています。

評価の高い点
 法人、保育所の理念、基本方針と保育所保育指針が整理され書き分けられて、その内容が適切で、中・長期計画、事業計画からパンフレット類まで記載物に応じて、わかりやすく書かれています。保育の質の向上と人材育成に重点的に取り組み、標準的な実施方法を具体化した保育要項は詳細な資料、解説等もセットされ完成度の高いテキストとして効果を発揮しています。
 職員研修としての「エピソード記述」は実務的で一定の成果あげています。地域の保育ニーズに即し、延長保育、一時保育、子育て支援事業など多様な保育サービスを展開して、地域の子育て支援の拠点として実績をあげています。

改善を求める点
 中・長期計画を達成するための収支計画を策定し、その内容を各年度の事業計画に反映することが望まれます。毎年度定期的に総合評価の自己申告書提出等人材の能力開発、育成と公正な職員処遇に取り組んでいますが、客観的な基準に基づく人事考課実施の検討が望まれます。

保育園からのコメント
 大阪聖和保育園は、創立当初(1933年創立)からキリスト教精神に基づいた自由保育の実践に努め、かけがえのない一人ひとりの子どもを大切に、子どもが“今”を最もよく生き、自らが自分自身で育つ力を培う保育を目指してきました。
 聖和共働福祉会(1982年設立)となって33年目を迎えますが、地域性に即した民族保育に取り組み、在日韓国朝鮮人のこどもと日本人のこどもが違いを認め合いながら、共に生きていく仲間だと実感できる保育を模索し歩んでおります。
 今回、2度目の第三者評価受審となりますが、前回の評価を踏まえ、自分たちの課題に取り組み、日々行っている保育を具体的に表記し整理することに心がけてまいりました。これについて評価していただき、取り組みの方向性に確信を得たことに感謝しております。今後も保育の質の向上を図るべく、エピソード記述に取り組み、目の前の子どもが“自分らしくいきいき輝く未来を創り出す力”を培うための保育を模索し続けていきたいと思います。
 また、保護者の方々のアンケートご協力に心から感謝しております。肯定的な回答を多数いただき、暖かいまなざしに守られ、支えられていることを再認識いたしました。少数ではありましたが、保育園に対してのご要望をいただいたことに対しても、ご意見を真摯に受け止め、情報発信の方法を模索するなど、保育の向上を目指したいと思います。